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不妊手術 – 避妊と去勢を考える

うさぎの書籍でも全く触れていない本や簡単に流している本があります。うさぎを大切にするのであればしっかりと知っておくべきです。メスであれば気付いた時にはすでに手遅れとなり、命にかかわることもあります。手術費用は高額ですし、手術可能な期間に制限もあります。

複数のうさぎを飼っていて繁殖の予定がなければオス・メス関係なく不妊手術は必要になります。

オスであれば人間にとって迷惑と感じる行為(スプレー行為やマウンティング行為など)を緩和させるという目的もありますが、子どもを生むという生理機能を奪うことなので、一生を左右する手術であるということを真剣に考える必要があります。

不妊手術を行っても迷惑行為が確実に治まるわけではありません。スプレー行為も本能的な行動ではなくイタズラとして覚えていれば治ることはありません。マウンティング行為も同様です。一般的には、手術をすれば性格が穏やかになると言われていますが、個体差が大きく影響することを覚えておきましょう。

メスの場合は、命にかかわる明確な目的があります。

メスの避妊の目的

メスのうさぎは、高齢になるにつれて子宮の病気にかかる可能性が飛躍的に高くなります。ペットとして飼われているうさぎは出産を経験しません。それが、ホルモンバランスを崩す原因となり子宮の病気につながります。予め避妊手術を受けて子宮を摘出しておけば未然に防ぐことができます。何もしなければほぼ確実に病気になると言われています。可哀想だからという理由で放置することはやめましょう。

うさぎのことを考えれば手術は必要です。ただし、手術が100%成功する保証はどこにもありません。飼い主さんの中には、定期的に検査を受けながら手術の時期をぎりぎりまで待っている人もいます。それでも、高齢になると体力がなくなり、手術に体が耐えられなくなる可能性が高くなります。そこで後悔してもどうにもできません。

うさぎには生理はありません。少しでもおしっこに血のような赤いものが混じっていたら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。すでに子宮が病に侵されている可能性があります。

オスの去勢の目的

オスの場合、単体で飼っているのであれば積極的に手術を受ける必要はありません。問題行動が多い場合は体力のある若いうちに手術を受けます。スプレー行為や気性が荒く噛みつき行為がひどい場合に受けさせることが多いようです。ただし、最初に説明しましたが、去勢をしたからといって完全に治まる保証はありません。もしかしたら思春期や若い時期だけの行動であり、ある時期を過ぎるとおとなしくなる可能性もあります。手術を受けるのであれば3歳までと言われていますが、メスと比較すると年齢の制限は厳しくありません。

リスクがあります

手術を受ける時期は、生後5ヶ月から遅くとも2歳(オスは3歳)までと言われています。手術のための体力的な問題もありますが、メスであれば体に脂肪がつくと手術が難しくなるという理由もあります。この年齢はあくまでも目安に過ぎませんが、体力的なことを考えると若い時期に受けさせるべきです。年齢が高くなると手術を断られることもあるので、信頼できる獣医師と十分に相談して決めることをおすすめします。

去勢手術の費用は2万円から3万円、避妊手術は手術が難しくなるのでさらに高額になります。費用については動物病院が自由に決めることができるので、一律にこの金額ですとは言えません。

信頼できる動物病院と獣医師を探すことが最も重要です。手術自体の失敗は論外ですが、手術が成功しても稀に麻酔に弱い子が、目を覚まさずにそのまま亡くなってしまうこともあります。昔はうさぎに詳しい獣医師が少なく、麻酔の量を誤ることがあったようですが、最近ではあまり聞かなくなりました。うさぎを多く受け入れている病院であれば問題は少ないと思います。

手術後は生殖器がなくなったことで基礎代謝が落ちます。それまでと同じ量のごはんを与えると肥満につながるので、体重とうさぎの様子を確認しながら調整しましょう。

ひなたの避妊手術

子宮の病気のことや避妊手術のことは常に頭にありつつも、手術で死なせてしまうのではないか、という恐怖心からなかなか手術に踏みきれずにいました。

ひなたが2歳になった頃、おしっこに血のような赤いものが混ざるようになりました。慌てて病院に連れていくと、子宮に問題があるかもしれないと言われ、すぐに手術を受けさせることにしました。手術は深夜に始まり、手術が終わったのは午前3時でした。病院から連絡があるまで、怖くて長い一夜だったことよく覚えています。

その日の朝病院へ行くと、ひなたは寝ているようでした。一部が黒くなった摘出された子宮を見せられ、何でもっと早く手術を受けさせなかったのかと後悔しました。もうしばらく様子を見る必要があるとのことだったので、夕方に再び迎えに行きました。そこには少し疲れたような、何が起こったのか理解していないような、いつものひなたの姿がありました。

自然に体内に吸収される糸で縫われていたので、抜糸の必要はありませんでした。数日後に経過診察があり、それでひなたの避妊手術は終りとなりました。それから月日は流れ、ひなたは6歳になりました。これからも元気でいて欲しいと思います。

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